デス・オーバチュア
第153話「氷炎のオッドアイ」



「ぴっちゃん、ぴちぴちぴっちゃん〜♪」
泉のように巨大な風呂、その中心にリューディアが浸かっている。
「ふう〜♪」
リューディアは風呂の湯を指で弾いたりして遊んでいたが、気が済んだのか、湯に浮かぶようにして寝っ転がった。
「しかし、我が従兄弟殿にも困ったものね〜。ラスボスが自分から出向いてどうするのよ? 城の最奥で部下達を送り込みながら待ち構えるのが定石……お約束ってものなのに……」
リューディアはぷかぷかと湯の上に浮かびながら、一人呟く。
「……まあ、確かに、叔父様やあの子相手にいまさら雑魚をゾロゾロぶつけても意味無いか……結局、従兄弟殿の目的は叔父様への嫌がらせ、目標は叔父様を倒すことでしかないんだし……でもな、それで叔父様に瞬殺返り討ちとかされたひには……あたくしとの約束まであぼ〜んしちゃうのよね……う〜ん、それは困った……」
しばし、広大な風呂を漂った後、リューディアは立ち上がった。
「……まあいいわ、オッドアイが例え失敗したとしても……あたくしの野望……地上スパリゾート化計画は止まらないわ!」
リューディアは拳を強く握りしめる。
スパリゾート(温泉保養地)……地上全てを自分のためだけの保養(避暑、避寒)地にすることこそ、リューディアの野望だった。
オッドアイは、ルーファスへの嫌がらせのためだけに地上を、人類を滅ぼすつもりである。
彼は地上には欠片の興味も執着もない、だから滅ぼした後の地上……彼にとって無価値なモノはリューディアにくれてやると簡単に約束してくれた。
「至高天(ここ)からアレを使って地上を吹き飛ばせば楽なのに……正面から叔父様に挑みに行っちゃうんだから……本当、子供よね……」
リューディアは困ったものねといった表情で溜息を吐く。
「……とりあえず、もう少し成り行きを見守るとしますか……シン! イヴが帰ってこないの、代わりに背中流してくれない?」
リューディアは浴室の外に控えている双子の弟に呼びかけた。



「正気か、お前?」
どこまでも見下すように、嘲笑うように、ルーファスは言った。
「世界征服? 人類抹殺? そんなことを実行しようとするのは、魔界から逃げ出した下等魔族の頭……『自称』魔王だけだ」
「自称魔王……」
自称魔王、偽魔王。
タナトスは、ルーファスか、クロス辺りから以前その単語を聞いたことがある気がした。
地上の歴史に何度か登場している『魔王』とは、魔界での争いに参加するだけの強さがない、地上に逃げてきた魔族達の中で一番強かった者のことである。
常に四人しか存在しない、魔界の支配者たる真の『魔王』とは別物なのだ。
「勘違いするな、あんな奴らにまで落ちぶれる気はないさ。僕は地上にも人間にも欠片も興味ない。ただ、あんたから遊び場(地上)と玩具(人間)を奪ってやりたい……それだけだ!」
オッドアイの両手にそれぞれ、赤と青の豪奢な直剣が出現する。
「赤と青のエクスカリバー(聖剣)か……」
「……僕があんたの残した物で受け継ぐことにしたのは二つだけだった。それが聖剣と魔剣……」
「今は至高天を合わせて三つってわけか? 遠慮するな、魔界に置いていったモノは全ていらないモノだ、全部お前のモノにしていいぞ、クソガキ」
ルーファスは嫌みなほど爽やかな笑顔を浮かべて言った。
「くっ……」
その笑顔が、発言が、全てオッドアイを苛立たせる。
「ああ、俺ってなんて優しい父親なんだろうね……こんなに太っ腹で、強くて格好いいパパンなんて普通いないよ」
「ふざけるなっ! 何がパパンだっ!」
「下がっていろ、タナトス」
ルーファスは、いきなり斬りつけてきたオッドアイの二本の聖剣を、右手でタナトスを後ろに押しやりながら、左手に召喚したライトヴェスタで受け止めていた。
「ルーファス!?」
「心配いらないよ、タナトス、すぐに終わるから」
「すぐだと!? ふざけるなっ!」
「おっと」
オッドアイはライトヴェスタを弾くと、再び二本の聖剣を斬りつけてくる。
「ほい」
鈍い音と共に、二本の聖剣は先程と同じように、ライトヴェスタ一本で受け止められていた。
「ぐっ!?」
「駄目駄目だな、オッドアイ。二本の剣を同一線上に存在させちゃ、二刀流の意味がないぞ」
二本の聖剣は交差しており、ライトヴェスタはその交差する一点を的確に捉え、一本で二本を押さえ込むことを可能にしている。
「二刀流の基本は片方で受けた瞬間に、残る片方で斬り捨てるだ、覚えておくといい」
「ふざけるなっ! 剣の稽古のつもりか!?」
「フッ……」
ルーファスは、オッドアイの二本の聖剣の猛攻を、左手に持ったライトヴェスタ一本で余裕で捌いていた。
「やれやれ、お前も俺と同じで剣術の才能はたいしてないな。ガイとか、サウザンドとか、ディーンとか、セイルロットとか、人間の有名な剣士の方が遙かに上だろうね、技術だけならな」
「なっ!?」
「俺みたいな剣の素人相手に、二刀も使ってその程度かよ」
ルーファスはライトヴェスタの一閃で、聖剣を二本とも弾くと、右手をポンとオッドアイの胸に押しつ当てる。
「しまっ……」
「光輝天舞(こうきてんぶ)!」
零距離からの光輝天舞が、オッドアイを派手に吹き飛ばした。
オッドアイの姿が遙か彼方の地平へと消えていく。
「はい、これで終……てのは無理か」
「当たり前だ!」
オッドアイの姿は突然、ルーファスの頭上に出現した。
赤き聖剣がルーファスを右斜め一文字に切り裂く。
だが、オッドアイに手応えはなく、ルーファスの姿は陽炎のように薄れだした。
「ただの残像だ」
ルーファスは、オッドアイの背後に出現すると、彼の後頭部を蹴り飛ばす。
「があっ!」
吹き飛んでいくオッドアイの前方に、蹴り飛ばした張本人であるルーファスが先回りして待ち構えていた。
「光輝剣舞(こうきけんぶ)!」
「氷!」
爆音と共に、黄金の閃光と無数の細氷が飛び散る。
「ふん、斬られる直前に青の聖剣で氷壁を生み出したか」
ルーファスはオッドアイの横を駆け抜けていた。
駆け抜ける際に数え切れぬほどの光速の斬撃を放ったが、直前に形成された氷壁に阻まれ、オッドアイ本体には殆ど斬りつけることができなかったのである。
オッドアイの代わりに、氷壁が無数の細氷にまで切り刻まれ、周囲に美しく舞い散っていた。
「……認めるよ、確かに僕も剣術は素人に等しい。それに、あんたみたいに速いわけでもない……」
オッドアイはルーファスに向き直る。
「……だけど、僕はあんたには負けない!」
オッドアイは赤と青の聖剣を持った両手をそれぞれ舞うように振り回しだした。
「ここからが本番だ……我が氷炎(ひょうえん)の剣、見事受けて見せよ!」
オッドアイの振り下ろした赤の聖剣が地上に触れた瞬間、紅蓮の炎がルーファス目指して地を走る。
跳躍してかわそうとしたルーファスに、無数の氷柱が襲いかかった。
「ふん!」
ルーファスは光速の剣で全ての氷柱を一瞬で粉砕する。
だが、その一瞬の間にオッドアイは間合いを詰めていた。
「炎!」
オッドアイの赤の聖剣は爆炎を噴き出し、ルーファスを焼き斬ろうとする。
ルーファスはライトヴェスタを下から斬り上げて赤の聖剣を受け止めた。
刃は止められても、炎は止まらず、ルーファスを包み込もうとする。
「光輝乱舞(こうきらんぶ)!」
炎が自らの体に触れるよりも速く、ルーファスは光輝を宿らせた素手の右拳を突きだした。
「氷!」
オッドアイは光の拳の乱打を、青の聖剣を盾代わりにして受け止めようとする。
青の聖剣は放出する凍気で氷の長盾と化していたが、全ての光の乱打を受けきれず、数発が体にめり込み、盾越しの打撃の衝撃も合わさって、上空に弾き飛ばされた。
「しばらく消えてろ!」
ルーファスは左手を突きだし、追撃の光輝天舞を放つ。
オッドアイは吹き飛ばされながらも、両手の聖剣をそれぞれ大上段に振りかぶった。
聖剣がそれぞれ、赤い煌めきと青い煌めきを放ちだす。
「奪魂、法悦、忘我の極み……駆け抜けよ! トゥインクルエクスタシー!!!」
振り下ろされた聖剣からそれぞれ赤と青の光輝が解き放たれた。
赤と青の光輝はそろぞれ逆回転の螺旋状に宙を走り、互いに絡み合いながら、ルーファスの放った黄金の光輝に迫る。
赤と青の絡み合う光輝は、黄金の光輝を貫くように打ち砕き、ルーファスに直撃し大爆発した。



「恍惚のうちに果てるがいい」
煌めく恍惚(トゥインクルエクスタシー)。
赤と青、炎と氷、プラスとマイナス、相反する二つの力は、攻撃対象を巻き込みながら完全な対消滅を起こす。
いかなる存在であろうと例外なく完全消滅させることができる……まさに必殺の一撃だった。
「いやあ、お見事お見事〜」
拍手の音と共に不快極まる音の声が聞こえてくる。
「貴様……」
空中に浮かぶオッドアイは拍手と声の聞こえてきた場所を見下した。
「たかが氷炎の聖剣でそこまで両極を極めるとは、お父さん感心しちゃったな」
無傷なルーファスが楽しげな表情で拍手をしている。
「そんなはずはない! いくらあんたでも今の一撃に耐えられるはずが……」
「ああ、無いさ。両極剣とは炎と氷、光と闇と言った対極の力の反発の力を利用する剣技だ。光の力に僅かに闇の力を混ぜ、光の力を爆発的に高めたり、あるいはその逆を行ったり……相反する二つの力を持つ者にしか使えない剣技だ。そう言った意味では、生まれながらに俺の光輝の力と煌(ファン)の純粋魔力を併せ持つお前は俺以上に適任だ。認めてやるよ、お前は昔の俺以上に両極剣を極めているとね」
「ふん、当然だ」
オッドアイには不満というか、拘っていることがあった。
それは、この聖剣も、両極剣という剣術も、元々はルーファスのモノだったという事実である。
ルーファスの愛用した剣と剣術を引き継ぐ、それはルーファスを憎むオッドアイには不愉快以外のなにものでもなかった。
それでも、この聖剣の力と、両極剣という剣術の素晴らしさは否定することはできない。
憎むべき男から教わり譲られた力と解っていながら、この力(聖剣と両極剣)を放棄することがオッドアイにはできなかった。
「この聖剣(エクスカリバー)も、対を成す魔剣も、両極剣という剣術も、もうあんたのモノじゃない! この僕、聖魔王オッドアイだけの力だ!」
「ああ、それでいいよ、オッドアイ。俺にはもういらない武具と武術だ、全部お前にくれてやる」
ルーファスは爽やかな笑顔を浮かべて肯定する。
「……くれてやるだと……」
その笑顔の爽やかさが、欠片の未練も見せないところが、オッドアイの気に障った。
「……僕はあんたを父親だなんて認めない! あんたからなんて何一つ貰いたく……」
「意地を張るなよ、ガキ。聖剣も魔剣も至高天もお前のために残してやったものだ、遠慮なくお前は貰っていいんだよ。パパ、有り難う〜♪……て感謝しながらな」
「ふ、ふざけるなっ!」
「至高天にはランチェスタもセットでつけてやったて言うのに、さっさと素直に受け取らないから、もう無くなってただろう。まったく素直じゃないガキだ」
「あんな乱暴な年増誰がいるか!」
オッドアイの体中から青い光輝が溢れ出したかと思うと、赤と青の聖剣に流れ込んでいく。
「そうか? 年齢的にも性格的にもお前に丁度良いかと思ったんだがな……だって、他には……ゼノンじゃとんでもない年上だし、あいつとお前みたいなガキじゃ釣り合わないだろう?」
「あんたに……女の心配などされたくない!」
「Dにしろフィーにしろ、俺の女な上に、俺の娘……お前から見たら『姉』みたいなものだろう? それともお前、そういう趣味(シスコン)だったか?」
「いい加減にしろ!」
オッドアイが赤い聖剣を一閃すると、無数の火球がルーファスに向かって撃ち出される。
「そう怒るなよ」
ルーファスのライトヴェスタの一閃で、全ての火球はあっさりと消滅した。
「だいたい僕はもっと……落ち着いた女性が好きなんだ……」
「ほう、例えば?」
「例えば、ネージュやモニ……て何を言わせるんだっ!?」
青の聖剣の一閃と共に、鋭利な氷柱が無数に撃ちだされる。
「ふっ……くっくっくっ、あははははははははははははっ!」
ルーファスは馬鹿笑いしながら、体中から光輝を放出して氷柱を消し飛ばした。
「そうかそうか、悪い悪い。パパ、お前の好みを思いっきり間違えていたよ。落ち着いた年上なお姉さんか、従順な妹タイプが良かったんだな? そりゃランチェスタじゃ対極だよな、ランチェスタが一番煌に似ているから、マザコンのお前には一番いいかと勘違いしていたよ」
「なんだと!? アレが母さんに……」
マザコン扱いされたことを怒るよりも、否定するよりも、アレが母に似ているという発言の方がオッドアイには衝撃だったようである。
「ああ、無口と喧しいの違いこそあるがな、本質は同じだ。物事を単純に考えるところ、価値観が単純なところが特にな。強い弱い、好き嫌い、そんだけなんだよ、煌とランチェスタの思考や価値観はな。セルみたいに小難しく考えたり、ネージュみたいに他人のことを考えたりはしない、自分がどうしたいか、どうすれば一番スッキリするか、それが全てなんだよ、あいつらは」
「母さんが……アレと同じ思考の持ち主……」
オッドアイのランチェスタのイメージは、戦うこと暴れることにしか頭にない単純馬鹿だった。
そんなのと自分の母親が同じタイプだったなどと信じたくもない。
「俺は煌にしろ、ランチェスタにしろ、シンプル(単純)な奴は嫌いじゃないんだよ。うざくないし、後腐れがないからな、シンプル・イズ・ベストってやつだ」
ルーファスの言葉はオッドアイには届いていなかった。
「母さんが……」
「そういうところがフィーは解っていない。ネージュみたいに適度な距離を取ってくれるか、煌やランチェスタみたいに素直にぶつかってくるなら、もう少し可愛がってやらないこともないんだが、どうもフィーは女々し……て、聞いてるか、オッドアイ? ああ、聞こえてないか……」
「母さんが……母さんが……ランチェスタ……?」
「たく、いつまで呆けているんだ、クソガキ!」
「があっ!?」
ライトヴェスタから打ち出された光輝がオッドアイに直撃する。
「き、貴様……」
「ほら、さっさと手の内を全部見せろ。さもないと、もう倒しちゃうよ〜♪」
ルーファスはまるでリューディアのような軽快な感じで……つまり小馬鹿にするような感じで言う。
「貴様……今、手加減したな……」
「当たり前だろう。さっきの惚けているお前を倒しても、不意打ちだったからとか、力を出し切る前にやられたとか……後でケチつけられるからな。ガキはそういうところがうざくてしょうがない」
「どこまでも僕を馬鹿にして……いいだろう! さっき僕を倒さなかったことを後悔させてやる!」
体中から溢れる青き光輝が凄まじい勢いで二本の聖剣に注がれていき、聖剣はそれぞれ赤と青の煌めきを放出しだした。
オッドアイは真下に向けていた二本の聖剣を鳥が翼を広げるように、ゆっくりと頭上に向かって持ち上げていく。
赤と青の煌めきを放つ二本の聖剣がオッドアイの頭上で交差した。
「氷炎剣奥義! 聖魔龍凰斬(せいまりゅうおうざん)!」
オッドアイが交差させた聖剣を振り下ろすと同時に、巨大な青い光輝の龍と赤い光輝の鳳凰が出現する。
龍も鳳凰も、オッドアイやルーファスを一呑みにできるほどの巨体だった。
龍と鳳凰は地上のルーファス目指して高速で急降下する。
「馬鹿が! 国ごと全て消滅させる気か!?」
原理的にはさっきのトゥインクルエクスタシーと変わらない、対極の力に相手を巻き込みながら、対消滅させる技だ。
だが、プラスとマイナスの力の量がさっきとは桁違いだということをルーファスは瞬時に見抜く。
ルーファスがかわそうが、かわすまいが、あんな巨大なマイナスの力の塊である龍と、プラスの力の塊である鳳凰がぶつかり合ったら、その際に生じる反発力は、ホワイトの街どころか、ホワイトの国の全領土を『綺麗サッパリ』消し去るはずだ。
「はははははっ! あんただけ転移で逃げてもいいよ! その変わり、この国も、あんたの女も全て綺麗に消し飛ぶけどね!」
龍と鳳凰は遅いわけではないが、特に速くもない。
光速に等しい速度で動けるルーファスなら、かわすことも、空間転移する間もあった。
「ちっ! 仕方ない!」
ルーファスは両手の手首を前方で合わせる。
「超!」
ルーファスの全身から黄金の光輝が爆発的に溢れ出した。
「なっ!?」
「竜!」
まるで竜の口のようになった両手首の中に黄金の光球が生まれ、急速に輝きと巨大さを増していく。
「馬鹿な!? なんだ、その光輝の圧縮率は!? そんな技、僕は知らな……」
「波!」
ルーファスの突きだした両手首から、巨大な黄金の光球が撃ち出された。
光の尾を引く巨大な光球は青き龍と赤の鳳凰をまとめて貫き、そのままオッドアイへと迫る。
「聖剣よ、僕に力を!」
オッドアイは残る全てのエナジーを二本の聖剣に集中させ、自分の何倍もの大きさの黄金の光球を受け止めた。
「無駄だ、オッドアイ。この技を使えるのは、この技に抗えるのは、異界竜だけだ。魔王ごときとは端から次元が違うんだよ」
「馬鹿な!? 異界竜の力だと、貴様いったい……」
「光皇ルーファス、てめえのお父様だよ、馬鹿息子!」
地上のルーファスが再度、両手首を突き出すと、オッドアイに受け止められ停止していた光球が勢いを増し、二本の聖剣を弾き飛ばす。
「があああっ!? こんな馬鹿なことがあああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!?」
光球はオッドアイを呑み込みながら、空の彼方へと消えていった。
「馬鹿が、さっさと魔剣も出せば良かったものを……氷炎剣……聖剣だけで俺を倒そうなんて馬鹿の極みだ」
地に転がっていたライトヴェスタは黄金の光に転じると、ルーファスの左手の甲に吸い込まれるように消失する。
「あの偽メイドもいつのまにか消えていやがる……まあいいか……じゃあ、さっさと帰ろうか、タナトス〜♪」
ルーファスはまるで何事もなかったかのような、爽やか過ぎる笑顔を浮かべた。










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一言感想板
一言でいいので、良ければ感想お願いします。感想皆無だとこの調子で続けていいのか解らなくなりますので……。



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